(5月)
今年は、りんごの芽の吹き始め(発芽)以降の気温が、平年よりやや高め
に経過しているので、りんごの開花も平年より1〜2日ほど早まりました。
りんごの花の色は、淡い桃色〜濃い桃色とされていますが、これは花弁の外


側の色です。花弁の内側は、ほとんど白色ですので、りんごの花が開花する
につれて、外観上、桃色から白色へ変化していきます。特にふじの花は白っ
ぽくみえます。


(6月)
現在、りんご園では、摘果作業が行われております。
 摘果作業は「実すぐり」とも呼ばれ、たくさん成った実の中から、発育の
悪い実を摘果バサミを使用したり、あるいは直接手でつみ取る作業です。余
分な果実を摘みとることによって、残された果実は葉でつくられた養分を充
分受け取り、大きな果実に生長していくのです。りんご園10アールのりんご
樹には、およそ30万個の果実がなっており、そのうち1万個位の果実を残
しますので、成っている果実の97パーセントは、文字通り、手作業で摘みと
っているのです。
「実すぐり」とも呼ばれる摘果作業は終了し、生産者の方々は、一息つい
ているところです。たくさんなった実の中から、中心果と呼ばれる真ん中の
果実で、しかも形状の良いものを手作業で選択し、残してきたのです。生産
者は、「やるだけのことはやった」と、実りの季節の果実を頭に描きながら、
草刈りなど作業に励んでいます。

(7月から8月)
今一度園地を見回り、形の悪い果実を摘みとって、着果量の調整をはかり、
りんご樹に余計な負担をかけないようにしています。また、日光の透過をよくし、
りんご樹全体に光が当てるために、伸び過ぎの枝を切り取るなど、高品質
りんご生産に向けたりんごづくりに励んで
います。

 
(9月)
 「つがる」など早生のりんごが収穫され、販売される時期となりました。
青森県をはじめ北東北では、夏場の低温で、お米が不作と報じられています
が、りんごの場合、本年は、例年より色づきがよく、糖度も高くなっていま
す。りんご生産者は、今一度園地を見回り、形の悪い果実を摘除し、高品質
りんごの生産に励んでいます。


(10月〜)
 これから、「千秋(せんしゅう)」、「ジョナゴールド」など中生種が収穫されます。
 青森県では、台風が襲い、果実が落果するなど被害を受けましたが、「つ
がる」など早生種が比較的高く取引されていることもあり、りんご生産者は、
葉を摘み取って、果実全体に日光をあてる作業(葉摘み)に取り組んでいま
す。
 今年は例年に比べて、りんごの熟度の進みが7日ほど早まり、晩生種「ふ
じ」の収穫作業は早々と終わっています。りんご試験場のほ場では、今、百
三歳の「国光」樹だけが果実をつけています。
 台風で果実が落果し、がっくりと膝を落としたこともありましたが、比較
的高くりんごが取引されていることもあり、りんご園の整理・清掃作業をし
ている生産者の姿は、明るくみえます。今後各地で開かれる、りんご果実品
評会などで、一年間の腕を競い合います。


(12月〜)
 りんご園の周りの木々は、すっかり落葉していますが、りんご樹にはまだ
葉がくっついています。他の落葉樹に比べてりんご樹は、肥料を吸収したり、
病害虫防除により葉が保護されているので、葉の寿命が長いのです。

 それにしても今年は、ことのほか、りんご樹の落葉が遅れています。これ
は、「初雪の訪れ」が遅れ、気温が零度を下回った日が2回しかなかった、
今年の暖かな秋〜初冬によるものと考えられます。