- りんごはまるかじりOK
りんごは病害虫発生を防ぐため、農薬散布が行なわれますが健康に害のないよう
十分配慮しています。
(収穫50日前(*)には薬剤散布終了しています。)自然の整腸剤である食物繊維
(ペクチン)を無駄なく摂取するために、りんごは皮ごと食べることをおすす
めします。
(*)サンつがるは30日前に落果防止剤(商品名ストッポール)散布。
- りんごの油上がりについて
「りんごの表面にワックスを塗って売られているようだが、害はないのですか?」という問い合わせが多く寄られます。これはりんごが熟するにつれリノール酸とオレイン酸が増え、皮に含まれるメリシン酸やノナコサンという固形物質を溶かすことにより生じる現象なのです。これらの物質に害はなく、むしろリノール酸やオレイン酸は不飽和脂肪酸と呼ばれる栄養価の高いものです。「油上がり」と呼ばれるこの現象は、ジョナゴールド、つがるなどによく見られ、りんごが熟しており、食べごろである印です。
- りんごの変色
りんごの皮をむいてしばらくすると、茶褐色に変色しますが、これは果肉中の成分(タンニン、クエルセチン酸、クロロゲン酸等)が、酵素(オキシダーゼ、パーオキシダーゼ)によって酸化されるためです。酵素の働きを抑えるには、亜硫酸、ビタミンc液、食塩水に浸すと効果があります。食塩水の場合は0.85%くらいの濃度にし、約15分つけると変色を防げます。
- 蜜入りりんご
葉→でんぷん→ソルビトール「糖の一種)→果実の順でソルビトールが果実に運ばれます。ソルビトールが多量に運ばれると、果実の維管束(水や栄養の流れる通路)から溢れて、いつもは空気の詰まっている細胞と細胞の隙間にたまった状態が蜜入りりんごです。ソルビトールは糖としての甘味は低いですが蜜症状は熟度の進んだ果実の証拠です。
?蜜は消える?
収穫直後はしっかり入っている蜜も、年明けの1月頃を過ぎると徐々に消えてなくなってしまいます。
これは、蜜が時間とともに「果糖(かとう)」に変化してしまうからです。
また、「蜜褐変(みつかっぺん)障害」といって貯蔵中に蜜の部分が茶色く変色してしまうこともあります。
☆蜜入りりんごは年内にお召し上がることをお薦めします☆
- どうしてりんごは赤くなるの
りんごは品種によって、熟したときに赤くなるのと、緑や黄色になるのがあります。
だから勘違いされやすいんだけど、太陽の光を浴びると赤くなる訳じゃなくて、「その品種の本来の色をつけてくれる」ということですね。逆に、天気が良過ぎると表面が茶色くなる「日焼け」がおきたりして、あまり良くないんです。色づくには、確かに太陽の光も必要だけど、他にもいろいろあって、昼と夜の気温差も大事な要素。夜、あまり気温が下がらないと、色をつける養分が貯まらなかったりします。
葉っぱの扱いも意外と難しく、葉っぱからの栄養が色づきの養分をつくったり、りんごを美味しくしてくれたりするのですが、たくさん繁っていると、太陽の日差しを邪魔しちゃう。だから、りんごに少し色がつき始めたら、タイミングをみて、まわりの葉っぱだけ、少しとってしまうんです。そうやってギリギリまで葉っぱの栄養を受け取ったうえで太陽の光を浴びるから、よく色づくし、味もよくなります。「そういえば同じ品種でも、有袋栽培と無袋栽培で色が違うりんごがあるとか…」 例えば、陸奥は、そのまま何にもしない(無袋)と黄緑色になるんです。ただ、黄緑に色づくのは夏なので、その間は袋をかけ、秋に袋を取ると一気に赤くなるんです。
赤いリンゴの場合、透きとおるような飴色になってくると、かなり糖度が上がってきた証拠。逆に、黄色いリンゴは若いときからずっと黄色いからちょっと難しくて。この畑にある黄色い品種・トキの場合だと、明るい黄色にほんのり赤みがさす頃が収穫時期です。
りんごの赤は元気、黄色はスマートな印象を与えます。緑は爽やかな雰囲気があって、その表情はみんな個性的。今回、色づきの秘密が少しわかりましたが、見た目はいろいろでも、やっぱり一番大切にしてるのは美味しさと安全。今度りんごを手にしたときは、ぜひ、そのカラフルな色を生み出した青森県の大地を思い浮かべながら、召上がって下さいね。
■特集 リンゴにはどうして蜜が入るの?■